『自分の会社を作るということ』に没頭しました

この本を読めば、メディアへの露出の絶えない女性起業家、トレンダーズの経沢さんのようになれる!とあれば、だれでも読まずにはいられないでしょう。残念ながら1300円の投資ではさすがにそこまでの効果は期待できません。
代わりに「年商一億円、社員三〜四人、オンリーワンビジネス」という経沢さんの考える女性起業家の理想モデルまでのノウハウがぎっしりつまっています。

ボッドキャストで起業したかたがたを思い浮かべながら読んでみました。

まえがき 女性が自分の会社を持つということ
第一章 自分の会社を持ちましょう!
第二章 立ち上げの前にやるべきこと
第三章 会社を成功させるキーワード
第四章 あなたのブランドで、オンリーワンになりましょう
第五章 社長の仕事って何でしょう?
第六章 売る人はあなたです
第七章 経営のマインドが重要です
第八章 あなたの会社を知ってもらいましょう
第九章 お金わかけずに営業しましょう
第十章 人事のエキスパートになりましょう
第十一章 起業から最低三年はがんばりましょう
第十二章 事業は生き物
第十三章 女性起業塾について
第十四章 人生と仕事。全体を充実させましょう
(目次から)

まず驚いたのは、数字がよくでてきて具体的なところです。
年商一億円を月次に引き直し、さらに商品やサービスの価格設定から販売規模まで具体化させます。さらに利益率を考慮して、社員の給与まで割り出します。ビジョンを実現可能な個々のアクションレベルまで落とし込む、という作業を続ける、この思考プロセスを知ることに価値があります。

そして、地道な努力を続けることの大切さを繰り返されています。信用や信頼の獲得、ブランディングには早道はないということでしょう。正直、「女性起業家」という言葉で、良くも悪くも華やかなイメージをもっていましたが、実に現実的かつ実用性の高いアドバイスです。

納得するものが書けるまで、何度でも何度でも、書き続けるのです。(P49.立ち上げの前にやるべきこと)
信用をつけるには、薄皮を積み重ねるように信用を積み上げることしかありません。(P78.あなたのブランドで、オンリーワンになりましょう)
一番大切なものを押さえ、それを何度も何度も繰り返しいろいろな方法で伝えて、やり遂げていくことが必要なのです。(P136.経営のマインドが重要です)
最も大事なことは、あきることなく淡々とやり続けるということではないかと思います。(P170.お金をかけずに営業しましょう)
ただひたすら愚直に、でも少し器用に効率よくやっていくしかないのです。(P202.企業から最低三年はがんばりましょう)

そのほか、経営者として必要な発想や視点を経沢さんは「経営脳」と呼んでいます。最近読んでいる『仕事はかけ算』でも、読書で同様の指摘があります。個別の具体例はわかりやすい反面、その本質を理解できないと応用することは難しいわけです。
この「経営脳」を知ることは、起業家であってもなくても、とても有用だと思います。組織で働くなかでマネジメント層がどういう視点で考えていのか、推測するうえで参考になります。
とにかくおすすめの一冊です。

ちなみにPodcast関連で起業されているかたというと、四人の方が浮かびます。

ポッドキャストでビジネスを展開する企業が、今度どう事業展開するのか興味深いです。

自分の会社をつくるということ自分の会社をつくるということ
経沢 香保子

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*1:大石さん、情報ありがとうございます